おもいのままに
まだ高く飛べることは出来ないけれど
僕らはきっと高く高く長く長く長く
飛んでいられるようになるよ。
俺の手を絶対離すなよ...
辛くても苦しくても逃げんな。
俺が守ってやるから。俺を盾にしろ。
羽は傷だらけで血濡れていて
飛ぶ度に地上に血を降り注がせる。
目を背けるなよ、
お前らもいつかは俺の前に立つんだ。
俺を抜くんだ。
でも、そうなっても
命を懸けても俺は、お前らを守るよ。
まだ...俺は高く高く飛びたいんだ。
もっともっと色んな景色が見たいんだ。
どうして皆を守る翼を折ったんだ。
青、青、青、青....
どうしてお前の片翼である、この俺が
お前の翼を治せないんだ?繋げられないんだ?
どうして、どうして、どうして....
身動きのとれない青を覆う様に盾になる
赤の背中にも沢山の刃が降り注いで
傷だらけになっていた。
どうして、どうして....
なぁ、青。
どうして俺はお前の翼を握れない?
ー目を背けるなよ、お前らもいつか
俺(達)の前に立つんだ。
俺(達)を抜くんだ。ー
.
.
.
これ以上、僕らの"道しるべ"が傷つかないように
ねぇ、ねぇ、ねぇ....
僕らは盾になれているかな?
踏まれて、蹴られて、傷つけられても
あなた達を守れるようになってきた。
それが僕たちの喜びだよ。
そうして5羽は重なりあってひとつになった。
5羽から流れる血は交じり合った。
血を流して重なり合う5羽は動かなくなった。
そんな5羽に陽が射して
........は涙を流した。
.
.
.
.
.
ーもう一度、咲きなさい。ー
キラキラと輝く光に包まれて
ひとつになった5羽は上に、上にと伸びてゆき
流した血は土に還り
青・赤・桃・黄・緑...
様々な色をつけた花を咲かせた。
僕らはまだまだ小さいね、と桃は笑う。
あの時の傷を忘れるな、と赤は言う。
生きる意味を見つけた、と黄は微笑む。
生涯この花で居たい、と緑は誇る。
5つで居ることが最大の武器だ、と青は語る。
とある一軒の花屋の近くの
陽のあたりづらい路地裏に咲いた
見たこともないその花は
後に沢山の人々に知られて慕われて
"SMAP"と名付けられて愛される。