冷し中華は1月2日から

SMAPと関ジャニ∞

'劇場'

帯に書いてある永田と沙紀のやり取りに心を奪われてしまい、思わず購入しました。
冒頭から暫くは状況描写が続くのですがとにかく表現力が凄い。状況が目を閉じると、瞼の裏側がスクリーンになったかの様に映像として浮かんでくる。
読み進めるスピードは止めることが出来ずに、1日かからず読み終えてしまいました。
芸人さんならではの台詞の言い回しやユーモアが織り混ぜられており、思わず何度も吹き出してしまいました。読み終えてからも、面白かったシーンは鮮明に覚えていて今でもそのシーンを目撃した読者と語りたい気持ちになっています。

物語としては
他者を受け入れられず他者に対して否定的で認めず、絶対的に自分主義社会を作り上げている売れない作家:永田
演劇をする名目で東京に進学し人懐っこい性格と底抜けにポジティブで明るい印象を与える人に愛される女子大学生:沙紀

この決して交わることのないような火と油の様な存在の二人がある出来事をきっかけに出逢い、恋仲に発展していって主にはその平凡でありながらも実際に経験する事のないような恋愛模様を長きに渡って追っていくという様な物語でした。
登場する町全体が私にとっては'劇場'の様に映り、時間の流れ、季節の動き、街の動きや人物の変化...全てが繊細に描かれており、私もその'劇場(町)'に住んでいて二人の仲を追いかけて見届けている様な錯覚に陥りました。
登場する人物に私も喜怒哀楽を刺激されて、愛くるしいなと思ったり、その人となりを文からもしっかり受けとることができました。
どういった幕閉じになるかは是非、ご自身で舞台に立って確認してみてください。

又吉さんの作品ははじめて読ませて頂いたのですが'天晴れ'としか言いようがありませんでした。人の心を掴むような文を作られるのは羨ましい限りです。