明日が待っている

SMAPと関ジャニ∞

凪待ち

f:id:fanttkuJ:20190817113034j:plain

ロングラン公開している"凪待ち"をやっと観てきました。観た後は、何か心にしこりを残していきました。

簡単な言葉でいうと「香取慎吾史上最も最低な男」でした。ビジュアルポスターにもあるように本当に笑わないし(当初はこれで良いの..?って思ってたけどあれが大正解だった。)、心の底で何を考えているかわからない突拍子もない荒々しい行動。...をとったかと思えばそれは人間として当たり前に持つであろう感情の爆発だったり...彼女との約束(プロポーズに使えそうな内容)は一切覚えておらず、周りからの支援金は駄目だとわかっていても抑えきれずに全財産をギャンブルで溶かしてしまって酒に溺れて自暴自棄。

人間らしいっちゃ、人間らしいと思った。
彼は何にも縛られずに感情を「郁男」の思うままに動かして生きていた。羨ましい、とも思った。
人を見る目も行動も彼女に対しても同様に一律。
ただ、それは郁男特有の「心の底の感情は読ませない」丁寧な役の作り込まれ方にあるからこそだろうけど。

一律であるがゆえの「お人好し」が彼自身を地獄に突き落とすこともあった。

そんな彼は「俺なんて死んだ方がマシだ」「皆を不幸にしてしまう」

...めちゃくちゃ放っておけなくなりますよね?

私は、気づけば郁男という可哀想で「動物」すぎる人間を愛してしまっていた。

たぶん、人間誰しも「郁男」的な部分を持っているのではないかと思う。それは上手に隠されているだけで。
破壊と再生と破壊を何度も繰り返し続ける彼の声をあらげてボロボロになって泣き叫ぶ姿は無邪気にみえて思わずそばに寄りたくなった。
郁男は、可哀想だから愛される。



舞台となったのは東日本大震災津波にのまれた宮城県の7年後。
恥ずかしいことに私はSMAPをとおして常に「義援金を持続的にしなくてはならない」と言うことは知っていた。ただ、今の宮城県の姿は知らなかった。
綺麗な海の前には人工的に隔たりを建てられており
震災後に引っ越しした方たちの苦悩(放射能関連によるいじめ)と地元に帰ってやっと自分を取り戻した女の子。
津波で奥さんをさらわれて今も自分のその瞬間の行動を後悔して自身も一変してしまった、還るように、探すように漁に出ることをやめずに、それでも海を恨むことなく海を愛している末期ガンを抱えたお爺さん。
全てのリアルな発言がとても心に響いた。

私に地元があるように、生まれ育った方にとったら大切で今をこれからを生きる場所、自分が自分らしくいられる場所がそこにはあるんだと。

白石監督作品は始めてみたんですけど人間がすごく人間(笑)。1時間ちょっとしか存在しない1人1人のキャラクターのはずが描写がとても人間らしくて全員が作り込まれている、そんな気がしました。
だからこそ、私はその1人1人の考えている、思っていることを理解しようと、気づけばこの作品にのまれていました。

エンドロールは圧巻で、エンドロールも含めて今を生きる日本人は見てほしいと思いました。

1度見させてもらっただけなので簡単な感想しか書けけなくて申し訳ないのですが...これを機に上映している店舗も回数も少なくなってきているロングラン上映中の「凪待ち」を見に船を進めてくれる人がほんのちょっとでもいらっしゃると嬉しいです。

香取慎吾のファンを人生かけてやってきている私ですが、演技でも普段でもあんな香取慎吾を見たことがなかったので、、正直まだ心地よい誇らしい消化不良に見舞われています。
香取慎吾のファンとしてこの作品は宝物だし、大事に大事にしていきたいと思いました。
慎吾を起用してくれたことに心から感謝します。












こんなに考えさせてくれる作品を「忖度」で放っておくメディアは恥ずかしくて、残念で...それでいいの?ってなりました。